睡眠障害を鍼灸で改善する方法を具体例でお話しします。
こんにちは!
一月も今日が最後、節分まであと3日、4日で立春。春もそこまで来ています。
・・・というか実際はもう春?って思うくらい日中は暖かく、日差しも春っぽい感じがしていますね。
花粉症が・・・気になる季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今日は睡眠障害のお話の続き、臨床上での具体例をあげて鍼灸での取り組み方、どうやって改善させていくのか、をお話ししたいと思います。
実証タイプの具体例①上半身、とくに心臓に熱がこもって引き起こされる睡眠障害
睡眠障害の患者さんでこんな症状の人がいました。
40代の男性。
仕事でいろいろストレスがあって、会社を辞めて転職しようと思っているが、そのことを考えると眠れない。
寝つきも1時間かかり、中途覚醒がある。眠りが浅い気がする。
その他に、胸の辺りが気持ち悪く、吐き気もする。食欲がなくなり、便秘が続いている。気持ちが沈む。うつっぽい。人と会うと興奮して喋り過ぎてしまうが、一人になると落ち込む。ストレスで甘いものを過食していた。
普段からがっつり食べる。肉が好き。
お話を聞いている限りで、おそらく実証の睡眠障害とわかるような問診所見がありました。
お身体を拝見すると、気色・脈・舌・ツボともにやはり実証を示す反応が顕著に出ていました。
〇1診目
実のツボ、心の陽気を減らし、肝気を巡らす作用のあるツボに1本鍼を刺入して置くこと5分。
施術後、脈・舌・ツボともに良性の変化があり、1回目の診療は終了しました。
〇2診目
前回治療後はよく眠れた。朝まで起きなかった。食欲も出て、便も出だした。食事に気をつけて、脂っこい物や甘味を控えている。
同様のツボに1本鍼を刺入し、置くこと20分。
〇3診目
よく眠れている。
胃のツボに1本鍼を刺入れし、置くこと20分。
よく眠れており、吐き気も収まり、食欲も戻った。体表観察上も改善が見られたため、また不調になったら来院するように伝えて、治療は一旦終了となりました。
(その2か月後、体調管理のために来院される。転職して、仕事も順調にいっているとのこと)
【実証の場合の治療法まとめ】
心臓にこもった熱を排出し、上半身に偏った気を下げるのがポイントです。
上述の例は典型的な実証タイプの睡眠障害でした。
身体のエネルギー(気)が有り余り過ぎ、上部に偏り過ぎたために、逆に不調を起こしていたケースです。
ストレスは肝臓に負担をかけますが、それが蓄積していくと、肝臓の気が火となって燃え上がり、上部に位置する心臓へ引火していきます。すると心臓の陽気が過度に亢進して、眠るために必要な陰分が足りなくなってきます。
このような心臓の状態では、まず余分な陽気・熱を取り除いて、陰陽のバランスを取るような治療していきます。
また、心熱実証タイプの方で注意したいのは、ストレスだけでなく、食生活(胃)との関係です。
肉や脂っこい食事、甘味を食べ過ぎている人は、消化が追いつかず、消化不良を起こして、胃に未消化物が溜まり、それが熱化して心臓に悪影響を及ぼす場合があるのです。
心臓は精神活動を統括しているので、心臓の不調は睡眠だけでなく、うつや不安などの精神症状を引き起こす場合もあります。
この方の場合も、睡眠障害だけでなく、落ち込み・うつ症状が見られていましたので、
心の熱を取り除き、胃を調整しつつ、食事の改善をして頂くことで消化力が回復し、結果として精神も落ち着いていきました。
東洋医学的な視点で睡眠障害をみていくと、意外なところが解決の糸口になったりするのですね。
(^▽^)
次回は虚と実が混ざったタイプの睡眠障害についてお話していきます。
\(^ω^)/
*****************
※「人気ブログランキング―――東洋医学部門」。
皆様の応援を頂きながら、ゆっくり歩んでおります。
ランキングはとっても励みになります。
更新もがんばりますので、これからも応援どうぞよろしくお願いしますm(__)m
左側のサイドバーにある「人気ブログランキング」のバナーをクリックして頂くと、ポイントが入ります。
ポチッとよろしくお願いします。
大阪市北区・梅田・東梅田・天満に近い女性に優しい治療院《鍼灸院ほまれ》
*****************