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院長コラム

鍼は気血を動かす道具です。刺すだけでなく、当てる、叩く、かざす、などその技法は多種多様。どれだけ気血を動かせるかが腕の見せどころ。こども、妊婦、高齢者、慢性消耗性疾患など、さまざまな症状改善のカギとなる、鍼灸の技法と私の日々の練習法についてお話ししましょう。

2022-03-07|気の動き / 鍼法
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こんにちは(^▽^)/

 

ひと雨ごとに暖かくなり、そろそろ春本番と思うこの頃です。

いつもの散歩道には河津桜が5分咲き。

     

気温が上がると風邪を引く心配も減ってきて、こんな嬉しいことはありません。

バンザーイ\(^o^)/

 

我が家の保護猫姫・クロエ様も暖かくなるにつれて元気度が増し、

今朝見たら、あら? 毛がフサフサしてきたんじゃなーい?!

 

(外猫出身だけに表情キリリ☆)

 

体重が2キロちょっとしかなく、ホントにちっこいのですけれど、

時々、かざすだけの鍼をしております。

 

 

ホンマに金の鍼を背中に「かざす」だけなんですが、気がよう動くんです。

鍼をかざした後、しばらくすると、「ニャー」と酒焼けのようなダミ声で鳴きながら元気に動き出します。

まぁ~ホンマに鍼って不思議すぎますね。

(*’ω’*)

 

 

さて。

かざす鍼というのは、刺す鍼とは違って、生体に近づけて「かざす」だけ。

生体とその至近にある気を集めたり散らしたりして動かしていく鍼の「技法」のことです。

猫ちゃんの場合は、人間より気の動きが早くてなかなか難しいのですが、鍼の腕は鍛えられますね。

こんなふうに、鍼を使って気を動かす方法にはいろいろあるんですね。

 

鍼の始めは古代九鍼。そして現代人に合った鍼へと進化してきた。

 

鍼を使って気を動かすために、鍼灸師は鍼で様々な技法を用います。

「古代九鍼」といって中国古代の鍼灸の古典書にも記載されている9種類の鍼があります。

↓こんな感じです。

 

ちょっと見にくいかもしれませんが、

用途別にいいますと、

【破る(切開する)鍼】
①鑱鍼(ざんしん)
②鈹鍼(ひしん)
③鋒鍼(ほうしん)

【刺入する鍼】
④毫鍼(ごうしん)
⑤長鍼(ちょうしん)
⑥員(円)利鍼(えんりしん)
⑦大鍼(だいしん)

【刺入しない鍼】
⑧鍉鍼(ていしん)
⑨円(員)鍼(えんしん)

 

という感じ。

ちなみに、九鍼は「はり師」の国家試験にも出されるので、はり師ならだれでも知ってる知識です。

 

通っている鍼灸院ではこんなにたくさんの鍼、見たことないよ~

(-。-)y-゜゜゜

 

そうですね・・・。

現代日本の鍼灸院では、九種類全部使ってるところは非常に少ないと思います。

(ただし、「九鍼」を研究している学派がありまして、その方達は使ってらっしゃると思います)

 

多くの鍼灸院で一般的に使われているのは、

毫鍼(ごうしん)と、⑧鍉鍼(ていしん) ではないでしょうか。

 

毫鍼は最も一般的な「刺す鍼」。太さも多種多様です。

鍉鍼も材質は多種多様、太さや用途も多様です。

現代人は古代の人々よりもデリケートな身体をしていますので、鍼も時代に合わせてよりデリケートなものへと進化しています。

当院では、④毫鍼と⑧鍉鍼 そしてもう一つ、「打鍼」というのを使っています。

 

毫鍼(刺す鍼)の技法は、邪気をとらえ、どう動かしていくかがポイントです

 

まず最初に、鍼灸師は患者さんの体表を触診し、気血の状態を診ていきますが、

ここで、

①ツボの状態を診たり、②気血のバランスを空間的に診たり、③ツボ周辺の「邪気」の状態を診たりしています。

触診の技法も各種あって、この①~③をとらえていくことはとっても大事なのですが、

その詳細は今日は省きます。

今日は、鍼で一体「何を」刺しているのかを重点的に説明しましょう。

 

以下は私が所属している鍼灸の学術団体「(一社)北辰会」の教科書『鍼灸臨床能力 実践編』(緑書房刊)からの抜粋です。

 

 

ツボの状態は以下の4種類に分かれます。

鍼灸師は、患者さんの体表を触って、これらのツボ周辺の状態を感じながら鑑別していくのです。

 

 

で、鍼を刺す場合、この4つのツボの状態に応じて、刺していきます。

①たとえば、実邪なら、パーンと弓矢で的を射るように邪気に当てるか、邪気の上部に近づけるかして、邪気を散らしていきます。

 

②虚の状態であれば、周辺から気をググっと集めて、空虚な部分を満たしていきます。

 

こういう技を毫鍼(ごうしん)で体内に刺し入れることで行っていくのです。

 

ふーん、ただ刺してるんじゃないんだね~

(-。-)y-゜゜゜

 

そうだよ、ただやみくもに刺していては、治るものも治らない。

ツボへのアプローチ、刺し方を間違えたら、悪化させてしまうこともあるんだよ~

 

だから、鍼灸師の腕前が問われるわけです。

 

「気」をとらえる練習。日々、私がしている(怪しい?)練習法はこんなこと。

 

鍼灸学校に入りたての頃、北辰会で勉強を始めた当初は、邪気をとらえる練習として、私はこんなことをやっていました。

【すべて目をつぶったまま、手指の感覚だけで行う】

①葉っぱの葉脈を読み取る

②サランラップの切れ目を読み取る

③新聞紙上の「字」や「写真」を読み取る

④時計盤に指を当て、針が通り過ぎる瞬間を読み取る

 

         

 

何やってんのー?とあやしまれても、私はいかにも「修行」ぽいので好きでした。

 

【手の感覚ができてきたら、「腹診」の練習】

 

手が敏感になってきたら、お腹を触って邪の位置を診ていく練習です。

お腹にどんな邪気がどんな形と厚み(深さ)をもって存在しているのかをとらえていきます。

たとえばこ~んな邪気があるお腹の人がいます。

 

 

【腹診図】(『腹証奇覧翼』より抜粋)

(^▽^;)

すごい絵ですね。

 

このように、お腹を触ると邪気の形とか状態がわかるのです。

 

難しそう! と思うかもしれませんが、手が敏感になってくると自然とわかるようになってくるものです。

 

そしてたまに、こんな練習もします。

【座布団を重ねた上から腹診する】

 

 

ヒャ~ (;’∀’)

 

難易度高そうですが、これは意外と簡単。かえって邪の状態がつかみやすくなるんですよ~

 

 

とまぁこのような練習を日々やっておりますと、手の感覚は研ぎ澄まされてきます。

 

その上で、体表を触って、ツボの周辺の邪気と正気の状態を見極めて、鍼を刺し入れていくということなのです。

 

鍉鍼(ていしん)=刺さない鍼でもいろいろな技があり、デリケートな人に向いてます。

 

毫鍼(刺す鍼)で気血を動かせるようになると、同様なことを鍉鍼(ていしん)=刺さずに当てるだけの鍼でもできるようになります。

 

鍉鍼は、体表に当てるだけで、体内には刺しません。

体表には「衛気(えき)」という気がめぐっています。

いうなれば身体の表面から外邪の侵入を防ぎ、全身を防衛している気です。

衛気は体内ともつながっているので、衛気にアプローチするだけで内外の気を動かすことができるのです。

 

①優しく当てるだけの鍼法。

 

②パーンと邪気をはじくような鍼法。

 

強弱はさまざまですが、患者さんの身体の状態に応じて調節し、巧みに使い分けていくのです。

 

私の師匠、藤本蓮風は、「当てる鍼」どころか、「かざす」だけの鍼で難病の方の治療をする場合もあるのです。

そのくらい、デリケートなお身体の人には「鍉鍼」は適しています。

私も、体力の弱っている方や子どもにはよく「鍉鍼」を使いますね。

うちのクロエさんは気の動きが速いので「かざす」だけでよく効きました。

 

打鍼はお腹を「叩く」日本独特の鍼法。古来、日本の鍼灸師は「お腹」で何でも治していた。

 

3つめの鍼は「打鍼」です。

北辰会では、室町時代から伝わる夢分流の打鍼法を現代風にアレンジしたものを使用して、お腹にアプローチすることで全身の気を動かしていきます。

 

【打鍼】

 

 

木槌をつかって、銀の鍉鍼で腹の表面を叩いていきます。

トントンと軽妙に叩いていくので、痛みはなく、とても気持ちの良い鍼です。

お腹の邪気を払ったり、臍を中心とした気の偏在を整えることで、全身が整っていきます。

木槌の使い方には強弱があって、これも邪気の形や深さで打ち方を変えていくのですが、結構難しい手技になります。

 

当院では、子どもや妊婦さん、慢性疾患で体力のない方に打鍼を使うことが多いです。

 

ということで、普段、あまり話すことのない鍼灸師だけの内輪話を、一般の方向けにまとめてみました。

なにげなく受けている鍼も、こんな歴史と、気の世界の深~い意味があるんだなぁと想像して頂ければ幸いです。

 

まぁ、とにかくですね、鍼灸師は気血を動かしてナンボ。

気の動きがわからなければ、病気や症状を改善することはできないので、日々研鑽することが非常に大事なんです。

「気が読める」と、鍼以外でも応用が効いて、世界が広がるんです。

「気の読み手」、鍼灸師に限らず、いわゆる名人の域におられる方はたくさんおられます。

自分もそんな「読み手」に少しでもちょっとでも近づいていけたらいいな~と臨床の場で日々、思っております。

 

 

\(^o^)/

 

 

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