施術の流れ
①問診:約1時間
患者様の症状や今までの経過、現在のお仕事や生活環境なども詳しくお聞きします。
なぜ、いつから、どのように、その症状が発生して、なぜ良くならないのか、その原因を探っていきます。
②体表観察:約20分
脈診・舌診・気色診・空間診や、ツボ観察など伝統的な診察方法を駆使して、お身体の状態を正確に把握します。
③施術法の決定
「①問診」と「②体表観察」で得た情報をもとに、証(病態の名前)を決定し、症状発生のメカニズムを導き出す病因病理チャートを作成し、緩解までの施術計画を作り、どこをどう施術するか、手順を決めていきます。
④施術:約40分
「③施術法の決定」で決めた施術方法と手順に基づいて、施術をすすめます。
刺鍼は、通常は1~3本。
その時のお身体の状態によって決めていきます。
使用する鍼
ステンレス製の使い捨て鍼
金または銀製の古代鍼
(刺さない鍼)
木製の槌+銀または
ステンレスの打鍼(体表を軽く叩いていく鍼、刺さない鍼です)
お灸は2種類
透熱灸
体表に微小のもぐさを置いて点火するもの。
棒灸
もぐさを固めて棒状にしたもの。
体表に直接つけず、かざすだけ。
じんわりとした温かさによって
内臓を温めていきます。
⑤休憩
鍼灸の施術後、お身体が良い状態で反応しているのをしばらくキープして、効果を安定させていくための休憩です。
当院の治療について
鍼灸院ほまれ院長紹介
院長:村井 美智代
1963年横浜生まれ。
子供の頃から時代劇や歴史文物が好きな文化系人間。
大学で中国近代史を専攻。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、北京大学歴史系に公費留学。中国各地に旅行し、少数民族や民俗に興味を抱く。
現地で漢方薬や鍼灸、気功など伝統医療が人々の日常に根ざしていることが妙に気になる。
帰国後は出版社やアメリカ系IT企業などで経理ウーマンとして働くが、オフィスのエアコンやパソコン作業、ストレスで肩こり・頭痛などに悩まされ、鍼灸治療を受け始める。
さまざまな鍼灸院の治療を受けるなかで、個性的な女性鍼灸師の先生と出会い、一生の仕事としての魅力を感じていく。
40歳を過ぎて、勤めていた会社が買収されたのを機に、思い切って鍼灸医学の道へ。
東京・日本鍼灸理療専門学校を卒業し、はり・きゅう師、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を取得。
卒業後、北辰会代表・十四世鍼医・藤本蓮風先生の内弟子として修行するため奈良へ転居。
2013年春、3年間の内弟子修行を卒業し、大阪・南森町に「鍼灸院ほまれ」を開院。
伝統鍼灸の学術団体である一般社団法人北辰会会員。
西宮で猫4匹と暮らし、休日はお散歩と瞑想をこよなく愛す生活。時々、スリランカへ瞑想とアーユルヴェーダの学びと野生動物に会いに行き、現地語であるシンハラ語をカタコト話す。
好きな言葉は、「一人一宇宙」(唯識論)、「思うとおりに歩めばいいのよ」(ターシャ・テューダー)。
- 鍼灸に出会ったきっかけは?
-
私が鍼灸学校に入った当初は、鍼灸が対応できるのは肩こり・腰痛、そしてせいぜい生理痛くらい?と思い込んでいて、伝統的な手法を使った鍼灸が、全身のさまざまな症状(難病と言われるものに対しても)に対応でき、有効な治療であることを知りませんでした。
2,500年前に確立した伝統鍼灸は、長い歴史に淘汰されずに生き残ってきた医学です。
その鍼灸医学を勉強していくうちに、副作用がなく、カラダに優しくありながら、さまざまな症状に対して根本的に改善していける医療としての可能性に魅せられていきました。この素晴らしい鍼灸医学を少しでも多くの患者さんにお届けしたいと思っています。
伝統鍼灸医学の正しい施術法は、簡単に身につくものではなく、脈診や舌診、腹診、ツボ観察など総合的で的確な診察と施術を行える鍼灸院は、日本では残念ながらまだひと握りにすぎません。鍼灸院ほまれは、患者さんが安心して通える伝統鍼灸の治療院として、この奥深い伝統医学の系譜の末端につながっていきたいと思っています。「すべては患者さんのために」。ゴールはありません。一生勉強です。信念をもって精進して参ります。
- 患者で通っていた鍼灸を、今度は自分でやりたいと思って?
-
そうなんです。20年近く患者として色々な鍼灸院を巡っていました。鍼灸を受けると、辛かった全身がウソのように軽くなる。気持ちもパッと晴れわたるので、もう一生お世話になりたいと思ってたのですが、
そこからジワジワと、
これを自分でやれたらいいなぁ、歳とってからも自分でメンテナンスできるしなぁ、仕事にできたら死ぬまで働けるしなぁ、自営は自分の性分に合ってるしなぁ、と妄想がふくらんでいったのです(笑)
- その妄想が現実に(笑)。
鍼灸学校に入られたのですね。40歳を過ぎてましたが、どうでしたか、学校は? -
18歳の青年たちと机を並べて、硬くなったアタマに医学の知識を詰め込むのは、大変なこともありました。
でも、もともと中国や伝統的なものが好きだったので、鍼灸の古典書なんかを読むのは苦にならなかったです。「もっともっと知りたい欲」がエスカレートして中医学オタクになっていきました(笑)。体育会系の人が多かったクラスの中では異色だったかもしれませんが、もうその頃は開き直っていて、鍼灸の古典から究極まで知りたいと思っていました。 - 卒業後、師匠に弟子入りしました。東京から奈良へ引っ越されて?
-
長年住み慣れた関東から関西へ。これから本格的に学べるんだと思うと、不安よりはワクワクの方が大きかったですね。
弟子入りした奈良の師匠は、日本鍼灸界では超有名な藤本蓮風先生です。
学生時代から先生の著書を読んで、これだ!と確信しました。
先生の鍼灸は、伝統を踏まえながら、新しいことにも挑んでおられて、西洋医学に負けない鍼灸の可能性を感じました。理論的に最新鋭で、説得力があったのと、臨床的にも難病治療までされていて、それも1本鍼で、医学としての鍼灸治療の最前線にいる方だなと惚れ込んで、奈良に行って頼みこみました。心の中では土下座して。あの時が人生で一番緊張した瞬間です。今思い出しても冷や汗が出ますね (^^;;内弟子にして頂けたのは信じられないですけれど、そのおかげで3年間、先生のおそばで学べたのは、私にとっては宝物。一生の恩です。
- 内弟子としての鍼灸修行はどうでしたか?
-
人間として、医療者として、そのあり方を、ゼロから叩き込まれましたね。
もうたくさん叱られて。
私も40歳を過ぎてましたから、かなりトウが立ってたので(笑)、最初はもうプライドをズタズタにされて、打ちのめされました。でも、内弟子を卒業して後、自分が臨床をするようになって、とっても大切なスピリットを教えてくださってたのだと気づきました。
- 鍼灸にとって大切なスピリット?
-
そうです。鍼灸には大事なスピリット、哲学があるんです。
先生の所には全国から難病の患者さんが沢山来るのですが、先生がその患者さん達と真剣勝負で向き合って、西洋医学でも治らない病を治していくのを間近で見れたことは、財産です。普通の鍼灸院ではあんなに難病の患者さんを扱ってないですから。
そこで先生がいつも言われてたことは、「鍼灸は自然界の法則の理にかなっている医学で、それに従えば、どんな病でも治せるんだ」ということ。
鍼灸は西洋医学に引けを取らないし、むしろどんな病にも対応できるんだぞ、と。
鍼灸に対する心構えと信念を育ててもらいました。人生を楽しく過ごすことが人間の真の幸福であること、健康な人間の理想は「恬淡虚無(てんたんきょむ)」、こだわりがなくさっぱりとしていること。それが東洋医学の根本にある思想なのだということも先生から学びました。人はなぜ病気になるのか…この一番大きな命題に対する答えが東洋医学・哲学には用意されているのだと知りました。
- 人はなぜ病気になるのか…とは、イコール「健康で生きるための秘訣」になるのでは?
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そうなんです。答えはそこにあるのですが…。
私自身も含めて、こだわりがなく、さっぱりと生きている人って、現代では少ないですからね。
難しいことですけど、これがとっても大事な核心をついていると思うんです。本来的に、そういうこざっぱりとして何にも執着せず、流れにゆだねられている存在でいられれば、そういう生物は自然界の法則に適応して生き残っていける、ということなのでしょうね。でないと、自然淘汰されるということ。シビアだけれど、生死を分ける現実とはそういうものなのだなぁとつくづく思います。私が今も鍼灸を続けている理由=鍼灸医学のスピリットを修行時代に学べたのは幸せでした。
- 内弟子を卒業されて、開院されたのですね。南森町を選んだのは?
開院後はどうでしたか? -
内弟子になる前は、卒業したら東京に戻って開業しようと思っていたのですが、内弟子2年目の春に東日本大震災が起こって、それから色々な巡り合わせがあって、最終的に関西で開業しようと思ったのです。
もともと、母が和歌山出身で、関西とはご縁があります。だから土地にも人にも違和感なく溶け込めてました。実際住んでみて、食べ物も美味しくて、人も親切で情に厚くて且つオモロイし、私のブラックジョークもウケるし(笑)、めちゃ自然体で暮らせるし、気に入りまして。あゝもうお堅い東京は肩がこるなぁと思って、思い切ってこちらで開業することにしました。 - 開院して今年は6年目です。これまで長かった、短かかった?
ご自身で当初からの変化はありますか? -
いろいろありすぎて、6年間は300%突っ走ってきて、振り返ると本当にいろいろやってきたので、 あっという間というよりは 、一つ一つの記憶が沢山残っているから、長かったように思います。
今は、開業鍼灸師としてやっと一周したというか、一通り経験してきたかな、という感じがあります。これからは、今までのがむしゃらさをちょっと脇に置いて、もう少し肩の力を抜いて、もっと自分らしく、自然体で、自分の好きな伝統鍼灸を追究していきたいなぁと思っているところです。その一方では、伝統鍼灸の基本にしっかり戻って、技術的にもスピリットとしても、一から見直していきたいと思っています。
わたし達鍼灸師の目標は、患者さんの症状を素早く、確実に改善していくことです。この道は一生終わりがない勉強ですから、研鑽を重ねていきたいと思っています。
- 今、どのような鍼灸をしていますか?
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中医学の理論をベースに、伝統鍼灸の手法を用います。中医学は、 WHO(世界保健機関)によって国際標準の理論になっていますが、その理論は患者さんの症状を的確に捉えることができて、なおかつ治療法も全てセットで用意されている、とても便利な医学理論です。その中医学に則ってお身体を診断し、日本の伝統の技も加えた形で1本~3本位の少数鍼で施術します。
少数鍼は、患者さんへの負担も少なく、かつ効き目がシャープで、早く効くというメリットがあります。
診断から治療まで、メソッドが確立されていて、なおかつ、あらゆる疾患や症状に対応できる点が、当院の最大の強みでもあります。本当に、いろんな症状に対応できて、素早く、シャープに効く鍼なんです。 - 今後「鍼灸院ほまれ」が目指す鍼灸とは?
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肩こりや腰痛といった症状はもちろんですが、当院の鍼灸は、本来の伝統的鍼灸が得意とする内科・婦人科・皮膚科・心療内科的な疾患にも素早く改善していける鍼灸ですので、どこに行っても良くならず長年つらい思いをしてらっしゃる人達の受け皿となれるような鍼灸院でありたいと思います。
「ほまれ」に行けばとりあえず安心、といわれるような、病気・症状が出た時のファーストチョイスとして、信頼できる鍼灸院でありたいし、そして気軽にいつでも自分の身体のことを相談できる東洋医学の窓口でありたいです。 - 得意とする症状はありますか?こんな方に受けてほしい、などあればお聞かせください。
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自分がOL時代にそうだったのですが、会社でのストレスも一杯あって、なおかつ体調もいつもどこかが調子悪いという状態で、「病気未満」なんだけれど「しんどい」日々が続いていました。
このような「ストレスが絡んでいて、月経のサイクルにも反応している不定愁訴的な、あれこれ起こってくる症状」に当院の伝統的な鍼灸はとても効くと思いますし、早く楽になっていくので、そういう悩みを抱えた女性をサポートしていければ嬉しいですね。
自分もそうであったように、働く女性を鍼灸で元気にしていきたいです。
- 患者さんはどのような方が多いのですか?ほとんどの患者さんが女性なのですか?
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午前中は専業主婦の方と、子供さんも来ます。夕方からは20代〜60代の働く女性がほとんど。男性はご紹介者のみなので5%程度です。
症状としては、肩こり、腰痛、五十肩などの整形外科疾患の他に、子宮筋腫、卵巣嚢腫、生理不順などの婦人科系も多いですし、不妊・妊活で来院される方も増えてきました。
それからアレルギー鼻炎やアトピーの方、うつや神経症、パニック症状などの心療内科系疾患、胃腸症状、リウマチやバセドウ、橋本病などの自己免疫系疾患、その他難病指定の症状の方もいらっしゃいます。また複数の症状をお持ちで、東洋医学でまとめて診てほしいという方も結構いらっしゃいます。
- 患者さんに伝えたいことは?
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伝統鍼灸の手法を使えば、ほとんどの症状や病気も対応が可能で、改善することも少なくありません。
クリニックでは一生治らないと言われた症状でも、東洋医学の目でとらえ直すと、全く違うアプローチから突破口が見つかる可能性は大きいです。もし悩んでいる症状があれば、あきらめないで一度鍼灸を試してみてほしいです。当院の鍼は、1~3本の鍼しか刺しませんから、お身体には優しい鍼です。また鍼が苦手な方には刺さない鍼で対応していますので、安心して受けられると思います。
鍼灸は初めて、また久しぶりという方にも気軽にお声をかけて頂ければと思います。 - 最近はスリランカによく行かれて、アーユルヴェーダの勉強もされているようですが。
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ご縁があって、スリランカ伝統の医学であるアーユルヴェーダ医学に現地で触れる機会あり、現地で、現代医学では治らないガンなどの難知性疾患を治しているのを見学させて頂いています。
中医学よりも歴史が古く、共通のルーツといえるものもあって、自然療法として中医学や鍼灸と考え方が似ているので、参考になりますね。
最近、アーユルヴェーダ・アドバイザーの資格も取得しました。カラダにいい食べ物のお話や、日常生活での体質別のアドバイスなども行なっていきたいと思っています。6月からは、シロダーラという額(おでこ)にオイルを垂らして脳や全身を整えていくアーユルヴェーダ・トリートメントを導入します。
シロダーラは”脳”のケア です。ストレスを感じるのが脳からだとすると、ストレスが原因の症状には強い味方となるでしょう。
東洋医学では脳は腎臓、ストレスは肝臓といわれていますから、シロダーラは、五臓のうちの大事な肝臓と腎臓のメンテナンスに連関しています。鍼灸と組み合わせることで、ストレス社会に生きる女性たちへ、より効果的な施術を提供していきたいと思っています。
- 最後に、これから鍼灸を受けてみたいと思っている方に、ひと言。
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患者さんが安心して相談でき、どんな症状にも対応できるのが伝統鍼灸のメリットです。働く女性に優しい東洋医学の専門家として、困った時に気軽に利用できる鍼灸院でありたい思っています。
どんな症状でも一人で悩まずに、まずは相談して頂ければと思います。
料金
完全予約制:女性優先(男性はご紹介の方のみ)
◆鍼灸施術
初診料 | 大 人・・・6,500円 |
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中高生・・・5,500円 | |
小学生・・・4,500円 | |
乳幼児・・・3,500円 | |
再診料 | 大 人・・・4,300円 |
中高生・・・3,200円 | |
小学生・・・2,100円 | |
乳幼児・・・1,050円 |
お得な回数券あります(8回券31,000円 3ヶ月有効)
◆アーユルヴェーダ・シロダーラ
初回コース(60分×3回券) 2ヶ月有効 |
院長施術:21,000円 |
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4回目~ | 院長施術:7,000円/回 |
※慢性疾患の方の割引コースあります。(詳しくはご相談下さい)
アクセス
〒530-0041 大阪市北区天神橋2丁目2-10ハイマウントビル604
・地下鉄谷町線・堺筋線「南森町」駅徒歩2分
・JR 東西線「大阪天満宮」駅徒歩2分
院内風景
受付
院長の師匠・藤本蓮風先生直筆の書
待合室・問診室
施術前後にゆっくりくつろいでいただけます。
初診の方はこちらでゆっくりお話を伺います。閲覧コーナー
カラダに関するオススメ本が並んでいます。温かい健康茶もご用意しております。施術室1
窓のそばの明るいお部屋です。施術室2
グリーンを基調とした個室感覚の落ち着いた空間です。藤本蓮風氏の鍼灸医学に関する著作(当院院長が編集・校正を担当しています)
大阪天満宮のお社がベランダから見えます。
鍼灸院ほまれの+α
痛くない鍼
鍼はすべて使い捨てのディスポーサルを使い、衛生的です。
刺すのは、皮膚の浅い部分だけですので、ほとんど痛みを感じない刺鍼法です。
刺す鍼に抵抗がある方には、「刺さない鍼(てい鍼といいます)」や「打鍼(図参照)」で施術いたしますので、初診時にお申し出ください。
東洋医学の理論に基づいた伝統的な手法
古典に基づいた鍼灸理論と、脈診・舌診・腹診・ツボ観察など、伝統的な手法をもとに総合的に診察します。
こだわりのお茶、お香、お花、本
こだわりのお茶、お香、お花と、本好きの院長がすすめる本コーナー(貸し出し可)など、安心してくつろげる院内です。
女性にとことん優しく
- ・施術用の着替えがあります。
- ・お子様連れでも来院OK。
- ・乳児をお連れのお母さんには、一緒に横になれるようにいたします。
会社帰りに…
夜は7時30分までの受付対応
働く女性に配慮した診察時間帯。
出勤前や会社帰りに来院される方も多いです。
また完全予約制ですので、スムーズに治療を受けられます。